「連立方程式」のコツ
数学のコツ
連立方程式を解くとき、ただ“解法手順”を覚えるだけではなく、少しの工夫や視点の切り替えでグッとスムーズに取り組めるようになります。ここでは、学習効率を高めるためのポイントを5つに絞ってご紹介します。
1. 文字の設定はシンプルに
-
何を x, y にするのかをはっきりさせる 連立方程式では、たとえば「りんごとみかんの個数」「速さと時間」など、どの量をどの文字に当てるかが最初の分かれ道。
-
意味が結びつくように選ぶ 速度なら v、価格なら p、人数なら n…など、英語の頭文字や漢字の読みをヒントにすると整理しやすいです。
2. 加減法/代入法の使い分け
-
代入法 1つの式から x を y の式で表し、それをもう一方に代入。文字の係数が 1 や –1 のときに特に有効。
-
加減法 両式の同じ文字の係数をそろえて足したり引いたりする方法。
-
係数同士が整数で揃いやすい場合
-
小数・分数になりにくい組み合わせのとき
-
コツ:問題文で「合計」「差」「倍」といったキーワードが出たら加減法、「一方を他方の何倍」といった関係が示されていたら代入法が使いやすい場合が多いです。
3. 整数係数に変形して計算ミスを防ぐ
-
両辺に同じ数を掛け算・割り算して、分数や小数を消去する
-
負の符号が多いと計算ミスのリスクが上がるので、符号を整理
-
計算しやすい形にしてから解く習慣をつける
例
{0.3x+0.2y=1.10.6x−0.4y=0.2⟹{3x+2y=116x−4y=2\begin{cases} 0.3x + 0.2y = 1.1\\ 0.6x - 0.4y = 0.2 \end{cases} \quad\Longrightarrow\quad \begin{cases} 3x + 2y = 11\\ 6x - 4y = 2 \end{cases}
このように 10 倍すると整数になるので、計算が格段に楽になります。
4. 図や表にまとめてみる
-
模型図(イメージ図):数量の大小関係や割合を図示すると、どの式が必要か直感的に把握できます。
-
表を書く:複数のデータ(人数×単価、距離×時間など)が絡むときは、表に整理すると式の構成要素がはっきり!
5. 答えのチェックを習慣化
-
元の式に代入して確認
-
整数・単位の整合性(人数や個数なら自然数、金額なら円で端数が出ていないか)
-
問題文の条件に合致しているか(例えば「A の方が B より多い」なら x > y になるか)
練習のポイント
-
解答手順をノートにまとめる…自分だけの「型」を作る
-
多様な出題パターンに触れる…文字の入れ方や式の組み方を身体で覚える
-
時間を計って解く…試験本番の時間配分に慣れる
まとめ
連立方程式は、文字の設定から計算の整理、図や表によるイメージ化、最後の答え合わせまで、一連の流れを「クセづけ」することで安定した正解率につながります。特に整数係数への変形や、加減法・代入法の出しどころを意識して練習を重ねれば、どんな複雑な問題にも落ち着いて取り組めるはずです。ぜひ今日から、これらのコツを意識して挑戦してみてください!