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「置換積分法」のコツ

数学のコツ 「置換積分法」のコツ

 

【積分計算】置換積分はいつ使う?見分け方の5つのチェックポイントを徹底解説!

「この積分、どうやって計算するんだろう…?」

積分計算で多くの人がつまずくポイント、それが置換積分です。部分積分と並んで、複雑な積分を解くための重要なテクニックですが、「いつ置換積分を使えばいいのか分からない!」という声をよく聞きます。

そこで今回は、置換積分を使うべきか瞬時に判断するための**「5つのチェックポイント」**を、例題を交えながら分かりやすく解説します!この記事を読めば、あなたも置換積分マスターに一歩近づけるはずです💪

置換積分の基本:なぜ「置き換える」のか?

そもそも置換積分とは、積分の中の複雑な部分を、別の文字(例えば )に置き換えることで、計算をシンプルにするテクニックです。

公式で書くとこうなります。

∫f(g(x))g′(x)dx=∫f(t)dt(ただしt=g(x))

この公式のポイントは、 という「塊(かたまり)」とその微分である がセットで積分の中に存在することです。この**「塊」と「その微分」のセットを見つけ出す**ことが、置換積分を見分ける最大のゴールになります。

それでは、そのセットを見つけ出すための5つのチェックポイントを見ていきましょう!

置換積分を見分ける5つのチェックポイント

✅ チェックポイント1:合成関数かどうかを確認

まずは積分したい式を眺めて、「関数の中に別の関数が入っている」形、つまり合成関数になっていないかを探します。

  • 例1: 」という関数の中に「」が入っている
  • 例2: 」という関数の中に「」が入っている
  • 例3: 」という関数の中に「」が入っている

このように、カッコ () の中や指数関数の「肩」、三角関数の中身などが塊になっている部分が、置換する有力候補です。

✅ チェックポイント2:導関数の存在を探す

チェックポイント1で見つけた「内側の関数(塊)」を微分したものが、式のどこかに掛け算されていないか探します。これこそが置換積分が使えるかどうかの最重要ポイントです。

例題

∫(x2+1)3⋅2xdx

考え方

  1. 【チェック1】 は合成関数。内側の関数は です。
  2. 【チェック2】 内側の関数 を微分すると、$ (x^2+1)' = 2x $。
  3. この が、式の外側に掛けられていますね!これは置換積分が使えるサインです。

計算

t=x2+1 と置くと、dt=2xdx となるので、

∫(x2+1)3⋅2xdx=∫t3dt=41​t4+C=41​(x2+1)4+C

見事に簡単な積分になりました!✨

✅ チェックポイント3:根号(ルート)の処理

(ルート)を含む積分が出てきたら、まずは根号の中身を丸ごと置換できないかを検討しましょう。

例題

∫xx2+1​dx

考え方

  1. 【チェック3】 ルートがあるので、中身の と置いてみます。
  2. 【チェック2】 を微分すると 。式には があるので、 と変形すれば使えそうです。

計算

∫x2+1​⋅xdx=∫t​⋅21​dt=21​∫t21​dt=31​t23​+C=31​(x2+1)x2+1​+C

✅ チェックポイント4:三角関数のペア

三角関数の積分では、微分すると相方になる「ペア」を意識することが重要です。

例題

∫tanxdx=∫cosxsinx​dx

考え方

  1. 【チェック4】 のペアがあります。
  2. 分数の形なので、分母である と置いてみましょう。
  3. 【チェック2】 微分すると 。分子の と符号が違うだけなので、これは使えます。

計算

∫cosxsinx​dx=∫t−dt​=−log∣t∣+C=−log∣cosx∣+C

✅ チェックポイント5:指数・対数のパターン

指数関数や対数関数には、置換積分でよく使われる典型的なパターンがあります。

指数関数の場合

の形を見たら、肩に乗っている を置換してみましょう。

例題

∫2xex2dx

考え方

  1. 【チェック1, 5】 指数関数 があります。肩の と置きます。
  2. 【チェック2】 微分すると 。これが式の外側にありますね。

計算

∫ex2⋅2xdx=∫etdt=et+C=ex2+C

対数関数の場合

分数関数の積分で、**「分母の微分が分子」**になっているパターンは、積分すると対数()になります。これは置換積分の超頻出パターンです。

例題

∫x2+3x−42x+3​dx

考え方

  1. 【チェック5】 分数関数なので、分母を塊と見てみます。
  2. 【チェック2】 微分すると 。これは分子と完全に一致します。

計算

∫x2+3x−42x+3​dx=∫t1​dt=log∣t∣+C=log∣x2+3x−4∣+C

まとめ

置換積分を見分けるための5つのチェックポイントをもう一度おさらいしましょう。

  1. 合成関数か? 関数の中の関数を探す
  2. 導関数はあるか? 中身を微分したものが近くにないか探す
  3. ルートはあるか? 中身を置換してみる
  4. 三角関数のペアは? 微分関係のペアを探す
  5. 指数・対数のパターンか? 肩の部分や、分母・分子の関係をチェック

最初は見つけるのが難しいかもしれませんが、この5つのチェックポイントを意識してたくさんの問題に触れることで、だんだんと「この形は置換積分だな」と直感的に分かるようになってきます。諦めずに練習を続けて、積分計算を得意分野にしてくださいね!応援しています!

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