「2次関数の最大最小」のコツ①
数学のコツ
【高校数学Ⅰ】2次関数の最大最小、もう迷わない!攻略のコツと実践テクニック①
こんにちは!高校数学でつまずきやすいポイントの一つ、2次関数の最大・最小。
「平方完成はできるけど、そこからどうすればいいんだ…?」
「場合分けがごちゃごちゃになって、結局間違えちゃう…」
と感じている方も多いのではないでしょうか?
でも、ご安心ください!2次関数の最大・最小は、いくつかのコツと手順さえ押さえれば、必ず得意にできます。今回は、皆さんが自信を持って問題に取り組めるようになるための秘訣を、具体例を交えながら徹底解説していきます。
1. なぜ2次関数は「最大・最小」を問われるのか?
まず、2次関数
のグラフは、ご存知の通り放物線です。- のとき:下に凸の放物線(∪の形)
- のとき:上に凸の放物線(∩の形)
この形が重要なんです!放物線は、必ず頂点を持っています。
- 下に凸の放物線は、頂点で最小値をとります(最大値はなし、無限大に発散)。
- 上に凸の放物線は、頂点で最大値をとります(最小値はなし、無限大に発散)。
さらに、定義域(
の範囲)が与えられると、その範囲内で最も高い点、低い点が最大値、最小値となるわけです。2. 攻略の3ステップ!
2次関数の最大・最小問題を解くには、次の3つのステップを踏むのが効果的です。
- 平方完成で頂点を求める!
- グラフをイメージする!(軸の位置と定義域を比較)
- 場合分けを丁寧に行う!
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:平方完成で頂点を求める!
これは基本中の基本ですね。どんな問題でも、まずは平方完成して頂点の座標を求めましょう。
例:y=x2−4x+3
y=(x2−4x)+3
y=(x−2)2−4+3
y=(x−2)2−1
よって、頂点は
となります。ステップ2:グラフをイメージする!(軸の位置と定義域を比較)
ここが最重要ポイントです! 平方完成で求めた軸の位置(頂点のx座標)と、問題で与えられた定義域(
の範囲)を比較して、グラフがどのようになるかをイメージします。軸と定義域の位置関係は、大きく分けて以下の3パターンです。
- パターンA:軸が定義域の内側にある
- パターンB:軸が定義域の左側にある
- パターンC:軸が定義域の右側にある
このイメージができていれば、どこで最大・最小値をとるのかがグッと分かりやすくなります。
ステップ3:場合分けを丁寧に行う!
定義域が文字を含む場合や、軸が文字を含む場合は、上記のパターンA, B, Cを元に場合分けが必要になります。これが多くの方が苦手意識を持つ部分ですが、ステップ2でグラフのイメージができていれば、恐れることはありません。
場合分けのコツは、
- 境界となる点を明確にする:軸と定義域の端点が一致するときが、場合分けの境目になることが多いです。
- 各場合でグラフを簡単に描いてみる:手書きでざっとでも良いのでグラフを描いてみると、どこが最大・最小になるか視覚的に理解できます。
- 等号の扱いを間違えない:境界点でどちらの場合に含めるか、一貫したルールを決めましょう(例: や で含める)。
3. 具体例で実践!
実際に問題を解いてみましょう。
問題: 関数
( ) の最小値を求めよ。ただし、 は定数とする。解答手順:
-
平方完成:
y=(x−a)2−a2+1
頂点は (a,−a2+1)、軸は x=a。
-
グラフをイメージし、場合分けを行う:
-
場合1:軸が定義域の左側にあるとき (a<0)
定義域 0≤x≤2 に対して、軸 x=a が左側にあるので、グラフは下図のようになります。
[図:下に凸の放物線で、定義域が軸の右側にあるイメージ。x=0で最小値をとる。]
このとき、x=0 で最小値をとります。
最小値は y(0)=02−2a(0)+1=1
-
場合2:軸が定義域の内側にあるとき (0≤a≤2)
定義域 0≤x≤2 に対して、軸 x=a が内側にあるので、頂点で最小値をとります。
[図:下に凸の放物線で、定義域の真ん中に軸があるイメージ。頂点で最小値をとる。]
このとき、x=a で最小値をとります。
最小値は y(a)=−a2+1
-
場合3:軸が定義域の右側にあるとき (a>2)
定義域 0≤x≤2 に対して、軸 x=a が右側にあるので、グラフは下図のようになります。
[図:下に凸の放物線で、定義域が軸の左側にあるイメージ。x=2で最小値をとる。]
このとき、x=2 で最小値をとります。
最小値は y(2)=22−2a(2)+1=4−4a+1=5−4a
-
まとめ:
- のとき、最小値は
- のとき、最小値は
- のとき、最小値は
このように、丁寧に場合分けをしていくことで、どんな問題にも対応できるようになります。
4. 最大値の場合も考え方は同じ!
上に凸の放物線の場合や、最大値を求める場合も、考え方は全く同じです。
- 下に凸なら、最大値は定義域の端点のどちらか。
- 上に凸なら、最小値は定義域の端点のどちらか。
- 頂点が定義域内にあるかどうかで場合分け。
このことを念頭に置いて、グラフをイメージする習慣をつけましょう。
5. 練習あるのみ!
2次関数の最大・最小は、理解するだけでなく、実際に手を動かして問題を解くことが非常に重要です。
- 様々なパターンの問題に挑戦する。
- グラフを実際に描いてみる。
- 間違えた問題は、どこで考え方がズレたのかを確認する。
を繰り返すことで、必ず得意分野にすることができます。
このブログが、皆さんの2次関数の最大・最小克服の一助となれば幸いです。頑張ってください!