「2次関数の最大最小」のコツ②(定義域の一端が動く)
数学のコツ
【高校数学】2次関数の最大・最小問題 定義域が動くパターン攻略法!
こんにちは、皆さん!高校数学でつまずきやすいポイントの一つ、2次関数の最大・最小問題、特に「定義域の一端が動く」パターンについて、今回は徹底的に解説していきます。
「どこで場合分けすればいいの?」「グラフがごちゃごちゃして見にくい…」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?でも大丈夫!いくつかのコツと手順を理解すれば、この問題も怖くありません!
なぜ難しいと感じるのか?
このパターンが難しく感じる最大の理由は、**「最大値・最小値をとる場所が、定義域の動きによって変化する」**ことにあります。固定された定義域の問題とは異なり、常にグラフと定義域の位置関係を把握しながら考える必要があるため、混乱しやすいのです。
攻略の鍵は「軸」と「定義域」の位置関係!
このタイプの問題を攻略する上で最も重要なのが、**「放物線の軸」と「定義域の位置関係」**に着目することです。軸は放物線の頂点のx座標であり、最大値・最小値を考える上で基準となる点です。定義域が動くということは、この軸に対して定義域が「左にあるか」「右にあるか」「軸をまたぐか」といった状況が変化する、と捉えることができます。
具体的な攻略手順(3ステップ!)
それでは、具体的な攻略手順を見ていきましょう。
ステップ1:グラフの概形と軸の位置を把握する
まずは、与えられた2次関数の式から、以下の情報を確認しましょう。
- 上に凸か下に凸か?( の係数の符号で判断)
- 軸の式は?( の場合、軸は )
軸の式を求めることで、グラフの基準点がどこにあるのかを明確にします。
ステップ2:軸と定義域の位置関係で場合分けをする!
ここが一番のポイントです!定義域の一端が動く(例えば
のような形)場合、その定義域が軸に対してどのような位置にあるかで、最大値・最小値をとる場所が変わってきます。下に凸のグラフの場合を例に考えてみましょう。
-
最小値の場合
- 定義域全体が軸より左にあるとき: 最小値は定義域の右端でとる。
- 定義域全体が軸より右にあるとき: 最小値は定義域の左端でとる。
- 定義域が軸をまたぐとき: 最小値は頂点でとる。
-
最大値の場合
- 定義域全体が軸より左にあるとき: 最大値は定義域の左端でとる。
- 定義域全体が軸より右にあるとき: 最大値は定義域の右端でとる。
- 定義域が軸をまたぐとき: 定義域の両端のうち、軸から遠い方で最大値をとる。(軸から定義域の両端までの距離を比較!)
上に凸のグラフの場合は、最大値と最小値の考え方が逆になります。
【重要!】場合分けの境界はどこか?
場合分けの境界は、定義域の端点と軸が一致する点、または軸と定義域の中点が一致する点(最大値の場合)になります。
グラフを書きながら、定義域をスライドさせていくイメージを持つと、どこで状況が変わるのかが視覚的に理解しやすくなります。
ステップ3:それぞれの範囲で最大値・最小値を求める
場合分けしたそれぞれの範囲において、実際に最大値・最小値を計算します。ステップ2で特定した「最大値・最小値をとる場所」の
座標を元の2次関数の式に代入するだけです。攻略のコツまとめ
- 必ずグラフを描く!:視覚的に状況を把握することが何よりも重要です。定義域をスライドさせている様子をイメージしながら描きましょう。
- 軸の位置を常に意識する!:軸が基準点です。定義域と軸の位置関係が変化するポイントを見極めましょう。
- 場合分けの境界を明確にする!:等号の扱いにも注意しましょう。(どちらの範囲に含めるか)
- 練習問題をたくさん解く!:経験を積むことで、パターンを身体で覚えることができます。
例題で確認してみよう!
例:関数
( ) の最小値を求めよ。- 軸と概形: より、下に凸の放物線で、軸は 。
- 場合分け:
- (つまり ) のとき: 定義域が軸より左にあるので、最小値は のとき。
- (つまり ) のとき: 定義域が軸をまたぐので、最小値は のとき。
- のとき: 定義域が軸より右にあるので、最小値は のとき。
- 計算: 各々の場合で の値を計算します。
このように、軸と定義域の位置関係を丁寧に追っていくことで、複雑に見える問題も整理して解くことができます。
終わりに
定義域が動く2次関数の最大・最小問題は、高校数学の応用問題の代表例です。しかし、今回紹介した手順とコツをマスターすれば、決して難しい問題ではありません。焦らず、一つずつ丁寧にステップを踏んで、得意分野にしてくださいね!応援しています!