「2次関数の最大最小(条件式つき)」のコツ
数学のコツ
条件付き2次関数の最大・最小:攻略のコツ
2次関数の最大・最小問題は数学IIの重要なテーマですが、条件式がつくと途端に難しく感じられますよね。しかし、いくつかのコツさえ掴めば、実はそれほど怖くありません。今回は、条件式付き2次関数の最大・最小問題を攻略するためのポイントを解説します!
1. 条件式を「文字を減らす」ために使う!
これが最も重要なステップです。条件式が与えられているということは、複数の文字のうち1つを他の文字で表せるということです。これにより、2次関数を1つの文字の関数に変換できます。
例えば、「y=−x+3」という条件式が与えられ、x2+y2の最大・最小を求めたい場合を考えてみましょう。
yに(−x+3)を代入すると、x2+(−x+3)2となり、xだけの2次関数に変換できました。
このように、与えられた2次関数を、できるだけシンプルな形で1変数にすることを意識しましょう。
2. 変域を見落とさない!
条件式を使って文字を消去した後、必ずその文字の変域(取りうる値の範囲)を確認しましょう。これが最大・最小問題を解く上で非常に重要になります。
例えば、「x+y=4 (x≥0,y≥0)」という条件式があったとします。
y=−x+4 を代入して2次関数が x の関数になったとしても、x は自由に動けるわけではありません。元の条件から、x≥0 かつ y≥0 なので、y=−x+4≥0 から x≤4 も導き出されます。
したがって、x の変域は 0≤x≤4 となるわけです。
この変域によって、最大値・最小値を取る場所が変わってくるため、見落とすと正しい答えにたどり着けません。
3. グラフを書いて視覚的に理解する!
1つの文字の2次関数に変換し、変域も確定したら、あとはその2次関数のグラフを書いてしまいましょう。2次関数は放物線なので、以下の3つのポイントを意識してグラフを概形として捉えます。
-
軸の位置:
の軸は です。 -
放物線の向き:
なら下に凸、 なら上に凸です。 -
変域と軸の関係: 軸が変域内にあるか、変域の外にあるかによって、最大値・最小値を取る場所が変わります。
- 軸が変域内にある場合: 頂点が最大値または最小値になります。
- 軸が変域の外にある場合: 変域の端のいずれかで最大値または最小値を取ります。
グラフを視覚的に捉えることで、どこで最大値・最小値を取るのかが明確になります。
例題で確認!
では、具体的な例で確認してみましょう。
問題:
のとき、 の最小値を求めよ。-
条件式で文字を減らす:
y=6−x を x2+y2 に代入します。
x2+(6−x)2=x2+(36−12x+x2)=2x2−12x+36
-
変域を確認する:
特に指定がないため、x は全ての実数値を取ることができます。
-
グラフを書いて視覚的に理解する:
f(x)=2x2−12x+36
これは下に凸の放物線です。
軸は x=−2⋅2−12=412=3 です。
変域に制限がないため、頂点で最小値を取ります。
x=3 を代入すると、f(3)=2(3)2−12(3)+36=18−36+36=18
よって、
の最小値は 18 です。まとめ
条件付き2次関数の最大・最小問題は、以下の3ステップで攻略できます。
- 条件式を使って文字を1つに減らす
- 残った文字の変域を必ず確認する
- グラフを描いて、変域内で最大値・最小値がどこになるかを見極める
これらのコツをマスターすれば、どんな条件式付き2次関数の最大・最小問題も怖くありません。繰り返し練習して、自信をつけていきましょう!