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「漸化式」のコツ

数学のコツ 「漸化式」のコツ

 

数列の学習で多くの人がつまずきやすいポイント、それが「漸化式」ですよね。

複雑な式を見て「うわっ!」となる気持ち、とてもよくわかります。

でも安心してください! 漸化式にはいくつかの典型的なパターンがあり、それぞれのパターンに合わせた攻略法が存在します。これらのコツさえ掴めば、どんな漸化式も「なんだ、そういうことか!」と解けるようになるはずです。

この記事では、代表的な漸化式のタイプと、それぞれの解法における考え方のヒントを、具体的な例を交えながら解説していきます。

 

漸化式攻略の第一歩:まずは「形」を見極めよう

 

漸化式を解く上で最も重要なのは、与えられた式がどのタイプに当てはまるのかを見極めることです。タイプが分かれば、あとはそのタイプの解法に沿って進めるだけ。パズルのピースをはめるような感覚で解けるようになりますよ!

ここでは、高校数学でよく登場する主要な漸化式のタイプを見ていきましょう。

 

1. 等差数列型・等比数列型

 

一番基本となる形です。これが分かれば、数列の基本を理解している証拠!

  • 等差数列型:

    an+1​=an​+d

    (例:an+1​=an​+3)

    これは、各項が一定の値 d ずつ増えていく(または減っていく)数列ですね。

    • 解法のヒント:

      初項 a1​ と公差 d が分かれば、一般項は an​=a1​+(n−1)d で求められます。

  • 等比数列型:

    an+1​=r⋅an​

    (例:an+1​=2an​)

    各項が一定の比 r を掛け合わせるごとに変化する数列です。

    • 解法のヒント:

      初項 a1​ と公比 r が分かれば、一般項は an​=a1​⋅rn−1 で求められます。

 

2. 階差数列型

 

一見すると等差数列でも等比数列でもないけれど、隣り合う項の差が数列になっているパターンです。

  • 形:

    an+1​=an​+f(n)

    (例:an+1​=an​+2n−1)

    この f(n) が an​ から an+1​ へと変化する「差」を表しています。

    • 解法のヒント:

      bn​=f(n) とおくと、bn​ が成す数列(階差数列)の和を利用して一般項を求めます。

      n≥2 のとき、an​=a1​+∑k=1n−1​f(k) となります。

      (n=1 の場合も成り立つか確認を忘れずに!)

 

3. 型(特性方程式を使うタイプ)

 

これが漸化式の中では最も頻繁に出題され、少しだけ工夫が必要なタイプです。

  • 形:

    an+1​=pan​+q

    (例:an+1​=2an​+3)

    一見複雑に見えますが、ある形に変形することで、等比数列に帰着させることができます。

    • 解法のヒント:

      「特性方程式」と呼ばれる方程式を解くのがポイントです。

      c=pc+q という方程式を立てて c の値を求めます。

      求めた c を使って、an+1​−c=p(an​−c) と変形すると、

      数列 {an​−c} が公比 p の等比数列になることに気づけます。

      あとは等比数列の一般項の知識を使って解き進めましょう。

 

4. 分数型漸化式

 

分母に が含まれるタイプです。

  • 形:

    an+1​=ran​+span​+q​ や an+1​=an​+p1​ など

    • 解法のヒント:

      多くの場合、逆数をとるとシンプルな形に帰着します。

      例えば an+1​=an​+1an​​ のような式であれば、両辺の逆数をとると

      an+1​1​=an​an​+1​=1+an​1​

      となり、bn​=an​1​ と置けば bn+1​=bn​+1 という等差数列の漸化式になりますね。

 

5. 連立漸化式

 

2つの数列が互いに関係し合っているタイプです。

  • 形:

    {an+1​=pan​+qbn​bn+1​=ran​+sbn​​

    • 解法のヒント:

      どちらか一方の式をもう一方の式に代入して、一つの数列の漸化式に帰着させるのが一般的です。

      例えば、bn​ を an​ で表して上の式に代入するなど。

      あるいは、2つの式を足したり引いたりして、和や差の数列がシンプルな漸化式になるように工夫することもあります。

 

漸化式を解くための心構えと実践のヒント

 

  • 焦らない!まずは式を「じっと見る」:

    与えられた漸化式をすぐに解こうとするのではなく、まずはどんな形をしているのか、どのタイプに当てはまるのかを冷静に見極める時間をとりましょう。

  • 初項の確認を忘れずに:

    一般項を求める上で、初項 a1​ は非常に重要です。問題文で与えられているか、自分で計算できるかを確認しましょう。

  • 「変形」の視点を持つ:

    多くの漸化式は、そのままでは解きにくい形をしています。等差数列や等比数列の形に変形できないか、常に意識することが大切です。特に特性方程式はその代表例ですね。

  • 実際に手を動かして練習する:

    どんなに解き方を知っていても、実際に手を動かして問題を解かないと身につきません。様々なタイプの問題を繰り返し解くことで、パターン認識のスピードと正確さが向上します。

  • 検算をする:

    求めた一般項に n=1,2,3 などを代入して、与えられた漸化式で計算した値と一致するか確認しましょう。これにより計算ミスを発見できます。

いかがでしたでしょうか?

漸化式は、数列の知識を総合的に問われる、少し手強い問題かもしれません。しかし、今回紹介したように、タイプ別の攻略法を知り、変形のコツを掴めば、必ず得意分野にすることができます。

諦めずに、まずは一歩ずつ、目の前の漸化式がどのタイプかを判断するところから始めてみてください。きっと「解けた!」の喜びを味わえるはずです! 応援しています!

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