「不等式」のコツ
数学のコツみなさん、こんにちは!
渋谷数学塾塾長の清水です。
数学、特に「不等式」と聞くと、頭が痛くなる人もいるかもしれませんね。でも大丈夫!実は不等式って、ちょっとしたコツさえつかめば、誰でも得意になれる分野なんです。今回は、数学が苦手な人でもスッと理解できるように、不等式の攻略法をお伝えします。
不等式ってなあに? 身近な例で考えてみよう!
不等式って、簡単に言えば「どっちが大きいかな?」を表す式のこと。
例えば、
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「身長が160cmより高い人」
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「お小遣いが1000円以下」
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「テストで80点以上取りたい!」
これらも全部、不等式の考え方を使っています。数学でよく見る「
」(より小さい)、「 」(より大きい)、「 」(以下、〜と同じかより小さい)、「 」(以上、〜と同じかより大きい)といった記号は、これらの「大小関係」を表しているだけなんです。
不等式の「ルール」はたった3つ!
方程式と違って、不等式にはちょっとだけ特別なルールがあります。でも、覚えることはたったの3つ!
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足し算、引き算は自由自在!
不等式の両側に同じ数を足したり引いたりしても、不等号の向きは変わりません。
例:x−3<5 → x<5+3 → x<8
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プラスの掛け算、割り算もOK!
不等式の両側にプラスの数を掛けたり割ったりしても、不等号の向きは変わりません。
例:2x<10 → x<210 → x<5
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マイナスの掛け算、割り算は要注意!
ここが一番大事なポイント! 不等式の両側にマイナスの数を掛けたり割ったりすると、不等号の向きが逆になります。
例:−3x<6 → x>−36 → x>−2
「あれ?なんで向きが変わるの?」って思いますよね。具体的な数字で考えてみましょう。
2<5 は正しいですね。
両辺に −1 を掛けてみましょう。
−2>−5 となります。数字の大小関係が逆転しましたね! マイナスの世界では、数字が大きいほど値は小さくなるんです。この感覚を掴めば、もう大丈夫!
練習問題に挑戦!
それでは、実際に問題を解いてみましょう。
問題1
x+5≧12
問題2
4x−7<9
問題3
10−2x≦4
解答
問題1
x+5≧12
両辺から 5 を引くと(ルール1)
x≧12−5
x≧7
問題2
4x−7<9
両辺に 7 を足すと(ルール1)
4x<9+7
4x<16
両辺を 4 で割ると(ルール2)
x<416
x<4
問題3
10−2x≦4
両辺から 10 を引くと(ルール1)
−2x≦4−10
−2x≦−6
両辺を −2 で割ると(ルール3、不等号の向きが逆になる!)
x≧−2−6
x≧3
どうでしたか? 不等式のルールを意識して解けば、きっと答えにたどり着けたはずです。
不等式は「数直線」でイメージする!
不等式の答えは、「
」のように範囲で示されます。これを視覚的に理解するのに役立つのが数直線です。-
の場合: より大きい範囲なので、 の位置に白丸( は含まない)を描き、右側に向かって線を伸ばします。
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の場合: 以上なので、 の位置に黒丸( を含む)を描き、右側に向かって線を伸ばします。
このイメージがあると、不等式の意味がより深く理解できますよ。
諦めないことが一番のコツ!
数学が苦手だと思っていても、ちょっとしたポイントを押さえるだけで、ぐんと得意になれるのが不等式です。特に「マイナスの掛け算・割り算で不等号の向きが変わる」というルールは、何度も練習して身体に覚え込ませましょう。
焦らず、一つずつ丁寧に問題を解いていくことが、不等式マスターへの一番の近道です。さあ、あなたも今日から不等式に挑戦してみませんか?