「チェバの定理」のコツ
数学のコツみなさん、こんにちは!
渋谷数学塾塾長の清水です。
数学、特に図形問題で「チェバの定理」と聞いて、思わず身構えてしまう方もいるかもしれませんね。でも大丈夫!チェバの定理は、いくつかのコツさえ掴んでしまえば、実はそんなに難しくありません。今回は、数学が苦手な方でもスッキリ理解できるような、チェバの定理攻略法をお伝えします。
チェバの定理って、そもそも何?
チェバの定理は、三角形とその内部にある点、または外部にある点と頂点を結んだ直線に関する定理です。具体的には、三角形ABCの辺BC、CA、AB上(またはその延長線上)にそれぞれ点P、Q、Rがあり、3つの直線AP、BQ、CRが1点Oで交わるとき、以下の関係が成り立ちます。
「なんだか複雑…」と感じるかもしれませんが、ご安心ください!この式を覚えるためのコツがあるんです。
コツ1:とにかく「たどる」意識を持つ!
チェバの定理の式を覚える一番のコツは、三角形の頂点から出発して、辺上を「たどっていく」イメージを持つことです。
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出発点と到着点を確認する: まず、三角形の頂点(A、B、C)のどれかからスタートします。例えば、Aからスタートするとしましょう。
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辺に沿って進む: 辺ABをたどり、点Rに到着します。なので、最初の分数は
となります。 -
次の頂点へ移動: 次は点Bからスタートして、辺BCをたどり、点Pに到着します。なので、次の分数は
となります。 -
さらに次の頂点へ: 最後に点Cからスタートして、辺CAをたどり、点Qに到着します。なので、最後の分数は
となります。
これをぐるっと一周すると、「
」という式が完成します。スタートした頂点から次の頂点へ、そして次の頂点へ…と順番に辺をたどっていけば、自然と式が出てくるはずです!
コツ2:分数の「向き」を意識する!
もう一つの大切なコツは、分数の分子と分母の「向き」を意識することです。
例えば、「
」という分数を見てみましょう。これは、点Pが辺BCを内分(または外分)する比を表しています。-
分子の「BP」は、頂点Bから点Pまでの距離
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分母の「PC」は、点Pから頂点Cまでの距離
を表しています。つまり、**常に「(その頂点から交点までの部分)/(交点から次の頂点までの部分)」**という形で分数を作ることを意識しましょう。この「向き」が逆になると、式が間違ってしまいますので注意が必要です。
コツ3:実際に図を描いてイメージする!
数学が苦手な方ほど、頭の中で考えるだけでなく、実際に図を描いてみることが非常に有効です。
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フリーハンドでも構いませんので、まずは適当な三角形を描いてみましょう。
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次に、内部に点を一つ取り、その点と各頂点を結んでみましょう。
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交点が辺を分ける点になります。その点をP、Q、Rと書き込んでみましょう。
こうすることで、「点Pは辺BC上にあるな」「点Qは辺CA上にあるな」といった具体的なイメージが湧きやすくなります。イメージが掴めれば、どの辺の比を使うべきか、より直感的に理解できるようになりますよ。
チェバの定理は、一見難しそうに見えますが、「たどる」「向きを意識する」「図を描く」という3つのコツを実践すれば、きっと得意分野になるはずです。焦らず、一つずつ丁寧に試してみてくださいね。
さあ、あなたもチェバの定理マスターへの一歩を踏み出してみませんか?